論オルフェノク 第三章

龍騎のライダー誰を支持するか論 

「龍騎世界のライダー誰を支持するか論」



仮面ライダー龍騎のライダー達はおのおの戦う理由があった。
多くのライダーが、殺しあわなければいけないが、
最後の一人になれば叶う願いのために戦った。



全部で13人プラス擬似ライダーオルタナティブを含め15人。



彼らの戦う理由を見直してみて、自分なら誰に賛同できるかを
検証してみたい。




まずは、彼らの戦う理由を。



1.城戸真司

ミラーワールドのモンスターが人間を襲うことを知り、
そのため、人を守る力を得るためドラグレッダーと契約し、仮面ライダーになった。

仮面ライダー同士が潰し合わなければならないことについて優衣が悩んでいることを知り、慰めるために「少なくとも俺はモンスターと戦うために変身する。誰かを守るためだけに変身するから」と約束した。
以降彼の中で「ライダー同士の戦いをやめさせるため」という理由が追加さ
れた。
彼はその後大きな苦悩に迷い込む事になる。



2.秋山 蓮

恋人小川恵里の意識を取り戻させるためにライダーになった。
途中で恵里が危篤状態になったので命を救うという目的に変わる。
最終目的としてライダー最後の1人になる決意は固いが、基本的に人を守るためにも戦っていた。



3.北岡秀一

通称“黒を白にする弁護士”で、倫理観のカケラもない享楽主義者。
重病に冒されており、余命僅かだが、ライダーの頂点に立つことで永遠の命を得ようと思っていた。
実はお人好しの面もあり、堀口ゆかりの母の手術代を匿名で寄付したりしていた。



4.浅倉 威

根っからの犯罪者。
いらいらを解消するためにライダーの戦いに参加する。
ライダー同士の戦いは彼を満足させるようだ。
かなりのライダーを手にかけた。



5.香川英行

ミラーワールドを閉じるため、優衣を殺そうと目論む。
「多くを助けるために1つを犠牲にできる勇気を持つ者が真の英雄」という信念の持ち主で、士郎が妻子を人質にしたときも、戦い続ける道を選んだ。



6.神崎士郎

ミラーワールドの戦いを仕組んだ張本人。
妹の優衣が20歳で死ぬ運命を知り、優衣を助けるため戦いを仕組む。
彼の分身、仮面ライダーオーディンは時間をも操れる。
妹を救うためならどんな犠牲もいとわない。



7.佐野 満

ライダーの力で金儲けをするべく戦う。
途中で彼の目的は達成されてしまうのだが・・・。



8.芝浦 淳

「ライダー同士の殺し合い」というゲームを楽しむために戦う。
いかに戦いを面白くさせるかに執着しており、
倫理観などは欠落していたようだ。
ゲームを楽しむためなら殺し合いをさせる事もいとわない。



9.須藤雅史

大森署の刑事で、シザースに変身する。
 
アンティークショップ店長の加賀友之と組んで何か悪事(証拠品の横流しとか捜査情報の漏洩だろう)を働いていたが、分け前のことで揉めたことから加賀を殺してしまった。
その死体を店内の壁に塗り込んでいるときに神崎士郎からカードデッキを渡された。
加賀の死を隠蔽するためとボルキャンサー強化のために、ショップの客などをボルキャンサーに喰わせていた。
神崎士郎の妹である優衣を手中に収めて以後の戦いを有利にしようとしたり、真司や蓮を変身する前に事故死させようとするなど、悪知恵が働くが、決してシザースが弱いわけではなく、楽して勝ちたいだけという非常に悪い性格をしている。

彼の戦う理由は好きなように生きるためだったのだろうか。



10.高見沢逸郎

巨大企業高見沢グループの社長。
この世の中、他人を蹴落とす事はあたりまえで、
いわば人間全員がライダーなんだと言っていた。
彼はもっと巨万の富と地位を得るために戦っていたようだ。



11.手塚海之(てづか・みゆき)

占い師。
非常によく当たるのを自慢にしており、このままライダー同士が潰し合えば自分も死ぬことを知って、状況を打開しようとしていた。
同じような志を持つ真司と手を結んだ。
ライダー同士の戦いをやめさせるためにライダーになったという矛盾した行動の裏には、親友:斉藤雄一の死が関わっている。
最期まで戦うことを拒否し続けた雄一の正義を無駄にしないため、そして雄一の運命を変えられなかったという悔恨を拭うために。



12.東條 悟

香川の英雄論に心酔しており、自分が英雄と認めない相手は許せないらしく、仲間であるはずの仲村創を殺してしまった。
香川を裏切り、ライダーの戦いに勝ち残るのが英雄への道と考え、“一番大事な”香川を犠牲にすることで英雄になる資格を得たと思ったようだ。

英雄になるために優衣を殺す事から、ライダーの頂点に立つ事で
英雄になるという方針に変わった。



13.仲村 創(はじめ)  

香川に従い、オルタナティブに変身し優衣を殺そうとした。
神崎士郎に研究室の仲間をめちゃくちゃにされた事を恨んでいる。



14.霧島美穂

仮面ライダーファムに変身する。
浅倉威に殺された姉を生き返らせるためにライダーになった。



15.城戸真司(リュウガ版)

ミラーワールドに存在するもう一人の城戸真司。
ミラーワールドの世界から現実の住人になるために戦う。



以上ですね。


まあ、あと吾郎ちゃんが北岡のために戦った事も入れると16人かな。



簡単にまとめてみると、



1.モンスターから人を守るため、ライダーの戦いをやめさせるため。

2.恋人の命を救うため。

3.永遠の命を得るため。

4.イライラを解消するため。

5.ミラーワールドの戦いによるモンスターの一般人への殺戮を
  止めさせるため。
  ミラーワールドを崩壊させるため優衣を殺害しようとする。

6.妹の命を救うため。

7.金を稼ぐため。

8.ライダー同士の戦いというゲームを楽しむため。

9.好きなように生きるため。悪事を隠すため。

10.巨万の富と地位を得るため。

11.自分の運命、ライダーの運命を変えるため、
   つまりはライダー同士の戦いをやめさせるため。

12.英雄になるため。

13.神崎士郎への恨みを晴らすため。

14.姉を生き返らせるため。

15.現実世界に住人になるため。

16.北岡の遺志を継ぐため。


というわけです。



多種多様ですね。



一つづつ私が思う意見を書いていきましょう。



まず1の龍騎。

その心意気やまさに正義のヒーローそのもの。

かっこいい理由だ。

殺しあう事が前提のこの戦いにはイレギュラー的存在ではあるが、

理由としてはなかなか燃える理由だ。

しかし、参戦以後の彼の行動には不満があるんですが・・・。




そして奥様に大人気2のナイトの理由。

恋人を救うため。

もし自分が同じ状況なら同じ事をするかもしれないと思う。

何物にも変えがたい存在の彼女なんだから。

大事な存在を守るために殺し合いをするというのもなんかわかる。




そして3のゾルダ。

このままでは必ず死ぬとなれば戦うのかもしれない。

が、死に直面した事がないし、ナイトのような想像はつきがたい

心理だと思うのでわかるわかるなんて断言するのは恥ずかしいが、

生きたいと思う気持ちが強いならきっと戦うかもしれない。




そして4の王蛇。

あなたの心理はわかりません。はい。

ただ、ライダー同士が殺しあう事を最も受け入れていたライダー、

あの戦いの本質を叫び続けたライダーとして私の中では好印象です。




5のオルタナティブ香川さん。

英雄になるためにとは言っていたが、この人は実は家族をモンスターの脅威

から救うために戦っていたのかもしれないと思う。

人間くさくて好印象。




そして問題児神崎士郎の6。

この人のせいでライダー同士の戦いは始まった。

肉親を救いたい気持ちはとても強いのだろうが、

好印象ではない。

彼の人間的な部分はあまり劇中で見れなかったから。




7のインペラー。

この人はよくわからない。

金を稼ぐためだったらライダーになる理由としてはおかしくないか?

もっと違う稼ぎ方を見つけたほうが良かったと思う。

どうやって稼ぐつもりだったのかな。

戦いに勝利した時に「使いきれない金をくれ!!」というつもりだったの

か・・・。




8のガイ。

ゲーム感覚で参戦。

この人の気持ちはわかりかねる。

後先考えないにもほどがあると思うが・・・。

彼にはとてつもなくライダーの殺し合いが魅力的に見えたのかもしれない。




9のシザース。

自分が殺人犯である事を隠す、好きなように悪事を働けるように戦う。

というように受け取れたが、明確には示されていない。

これまたライダーになる理由としてはなんかしっくりこないなあ。




10のベルデ。

このいっていることは人の社会に生きるための真理的だが、

高見沢グループで野望を燃やしたほうが現実的じゃあなかったのかな。

ライダーの戦いに魅了された一人かもしれない。




11のライアさん。

友の思いのために戦いをやめさせようとしているライダー。

彼の占いが当たるのは不思議ではあるが、戦う理由としては

龍騎と同じではある。行動的には彼のほうがかなり現実をみていた

気がするが。

龍騎にもこの人くらいの行動をしてほしかった。




12のタイガ。

彼は性格的に破綻していたに違いない。

香川教授について「英雄」をめざすが、

途中からミラーワールドで勝ち抜いて「英雄」になると

いう事にシフトする。

尊敬していた香川教授が思想より家族を取ったという事に

失意を抱き彼を殺害するのだ。

決定打となったのが、彼の家族と食事をした際に香川教授の

優しいパパという面を見てしまったからというわけらしい。

あんまりだ。

「英雄」という言葉に取り付かれてしまい暴走したのかとも

とれるが、おそらく彼自身の性格的な問題だと私は思った。

支持はできないが、魅力的なキャラクターであった事は間違いない。




13、オルタナティブ仲村さん

この人は神崎士郎への恨みから戦った。

最初は戦う力がなかったので係わり合いになりたくないと

逃げていたが、オルタナティブに変身する力を得てからは

積極的に優衣を殺害しようと行動する。

力を手にした時にこういう風に変わる人もいるのだという事を

おしえてくれた。

彼もまた神崎士郎の犠牲者の一人だ。




14.ファム

唯一の女性ライダー。

姉を殺された復讐のために戦う。

身内を殺されて、私に戦う力があるのであれば私も戦うと思うので

支持できる。

しかしかわいかったなあ。




15.リュウガ、もう一人の龍騎。

彼自体の存在が謎。ミラーワールドにもう一人の自分?

謎だ。おそらくは神崎士郎が作ったんだと思うけど・・・。

ちょっとはっきりしない人なので支持はできません。




16.吾郎ちゃん

浅倉との決着をつけずに死んだ北岡の遺志を継ぎ戦い死す。

彼の北岡への愛はすごい。

並大抵の愛ではない。

私にできる事ではないが、支持したい。




と、全員についてコメントしていきましたが、

最終的に誰を一番支持するのか。

それは・・・










ずばり「香川教授」です。



私怨ではなく、神崎士郎のせいで発生したモンスターによる一般人の

犠牲をなくすために彼は戦った。

英雄になるためにと盛んに言っていたが、

それは他人に自分の意見を支持してもらうためであったはず。

実際に家族か英雄かの選択に迫られた際、

結果家族を選んだわけだし。

人間くさい一面を持ちながら、大きい理想のために戦おうとした

香川教授。

彼の生き様は非常に魅力的だった。

一度受けた技は必ず返すという神業を見せたというかっこよさも

あいまって一位に輝きました。



「大いなる理想のために、自分を死の危険においやってまで戦う

 擬似ライダー、しかし家族のためには迷いも生じる。」



そんな所が一番の魅力でした。



私の好きなヒーロー像ですね。ちょっと悪い感じも出てたし。

555の草加雅人もやはり好きなのですが、

彼もまた暗い過去を払拭するために、愛する人を守るために

戦った人なわけです。かなり悪い事もしましたが。


彼らのようなダークヒーローがやはり惹かれる。





この「龍騎ライダー誰を一番支持するか」という事を

明らかにする事で、その人なりの好みのヒーロー感っていうのが

でてくるのではないでしょうか。


ぜひ皆様考えてみていただきたいです。

そして結果を教えていただくとありがたいです。


とにもかくにも仮面ライダー龍騎は、

ライダーの戦う理由について疑問を投げかけた作品であったと

私は思います。


長い長文にお付き合いいただきありがとうございました。

もしよろしければ感想、意見など書き残していただければ

幸いでございます。

                  2004.7.13 ユウ・カジマ


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